四国最東端の岬 蒲生田岬から太平洋を望む
太平洋に面した徳島県南部には、海を一望できる絶景スポットが点在しています。「蒲生田岬(かもだみさき)」では、大パノラマが広がる美しいオーシャンビューが待っています。
白亜の灯台から大迫力のパノラマビューを堪能
写真上:灯台としては珍しい四角い窓が特徴。写真左下:灯台上からの眺め。たもとの展望スペースも開放感抜群。写真右下:灯台の奥には海に近づける遊歩道もある
徳島県と高知県にまたがる室戸阿南海岸国定公園に属する蒲生田岬。そのシンボルは、大正13年(1924年)に建てられた「蒲生田岬灯台」です。
こちらの灯台は海抜約50mの高さに位置し、紀伊水道の大海原や周囲に浮かぶ離島など、壮大な景色を眺めることができます。晴天時には遠く大鳴門橋や淡路島、和歌山県までも望め、どこまでも水平線が広がります。
写真左:沖合4kmに浮かぶ阿南市の離島・伊島。 写真右:海岸沿いから灯台を見ると、小高い丘の上にそびえていることがよくわかる
灯台から見える風景のなかでも注目なのは、沖合4kmに浮かぶ伊島です。ミサゴなどの渡り鳥が飛来することが有名で、その姿をひと目見ようと、灯台には多くのカメラマンが訪れます。
灯台へ向かうには、大きな石が転がる海岸沿いや急勾配の階段を約10分歩くので、動きやすい格好とスニーカーがおすすめです。
写真映えするモニュメントや四季の風景にも注目
写真上:ハートの中に入りながら、雄大な海景色をバックに記念撮影しよう。 写真左下:恋の句が刻まれた句碑のかたちは蝶がモチーフ。写真右下:かもだ岬温泉。日帰り入浴は10時~18時30分最終受付
蒲生田岬には、灯台のほかにも多彩な楽しみが揃っています。
30台ほど停められる駐車場の近くには、岬を舞台に詠まれた恋の句が刻まれた句碑や、波と風をモチーフにしたハート型のモニュメントが立っています。モニュメントは「波の詩」とよばれており、恋愛成就のパワースポットとしても近年注目されています。
また、岬のふもとには四国最東端の温泉「かもだ岬温泉」があります。紀伊水道を挟んで淡路島・和歌山県を望むことができ、よく晴れた日には大鳴門橋まで見えます。
写真左:岩肌に彩りを添える黄色いシオギク。写真右:だるま朝日は海面から立ち上がる水蒸気によって光が屈折して発生する現象
季節限定の風景も必見です。灯台下は湿原植物群が広がっていることで知られており、11月頃にはシオギクが黄色い花を咲かせます。
また、蒲生田岬は朝日の名所としても有名で、晩秋から冬にかけては、水平線から昇った太陽がだるまのように見える「だるま朝日」が見られることもあります。だるま朝日は発生確率が低いため、見た人に幸運をもたらす現象ともいわれています。
四国最東端ではありますが、徳島市からは車で約1時間30分、シーサイドドライブを楽しみたい方におすすめです。
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