ケーブルカーで行く!? 秘境の露天風呂に浸かる
大自然に囲まれた秘境・祖谷は、徳島県内有数の温泉地でもあります。渓谷沿いに点在する温泉宿のなかから、露天風呂へアクセスするための専用ケーブルカーがある珍しい宿2軒に注目しました。
ケーブルカーで下へ!谷底にある源泉掛け流しの名湯
写真左:祖谷の絶景スポット「小便小僧」の像から徒歩5分の場所に立つ。 写真右:ケーブルカーは乗客が自らボタンを押して運転する
まず紹介するのは、昭和47年(1972年)創業、千メートル級の山々に抱かれた秘境にたたずむ「和の宿 ホテル祖谷温泉」。こちらの自慢はなんと言っても、祖谷渓の谷底にある露天風呂です。
宿から約170m下にある露天風呂へは、専用のケーブルカーに乗車して向かいます。かつてケーブルカーがなかった時代には、下るのに約30分、上るのに約45分もかけて、傾斜角42度の険しい断崖を徒歩で行き来していたそうですが、ケーブルカーなら約5分で楽々到着します。
写真:日帰り入浴は7時30分~17時最終受付。入浴+昼食付きプランもある
ケーブルカーで谷底に降りると、エメラルドグリーンに輝く祖谷川が眼前に! 川にせり出すように作られた露天風呂からの眺めは、まさに絶景の一言です。
こちらの露天風呂は抜群のロケーションもさることながら、泉質と豊富な湯量も自慢。泉質はPH値9.1のアルカリ性単純硫黄温泉で、とろみのある美肌の湯。四国では珍しい源泉掛け流しとなっています。
写真上:客室はスタイリッシュかつ和モダンな空間。祖谷渓を一望できる部屋もある。 写真左下:のんびり湯浴みが楽しめる露天風呂付客室。 写真右下:夕食には旬の川魚や山菜、名物の祖谷そばや猪豚味噌鍋などが並ぶ
「和の宿 ホテル祖谷温泉」の露天風呂は日帰り入浴できますが、祖谷観光の拠点として宿泊するのもおすすめです。
客室は、源泉を心ゆくまで堪能できる露天風呂付き客室や、祖谷渓を一望するテラス付き客室などがあり、宿自慢の温泉や渓谷美を独り占めすることができます。食事は滋味溢れる里山の食材や郷土料理を元にした会席料理が人気です。
ケーブルカーで上へ!里山を一望する天空露天風呂
写真左:祖谷の観光地から近く、散策の前後に立ち寄りやすい。 写真右:ケーブルカーまたは遊歩道を登って天空露天風呂へ
続いて紹介するのは、近年、海外のツーリストからも人気を集める「湯元新祖谷温泉 ホテルかずら橋」。こちらは祖谷の観光スポットとして有名な「祖谷のかずら橋」から車で約3分の場所に位置しています。
日帰り入浴も可能な温泉は、昔懐かしい五右衛門風呂や内湯の大浴場もありますが、名物は「天空露天風呂」。ツツジやアジサイなど季節の花が彩る遊歩道を登って行くこともできますが、宿の中庭から山小屋風のかわいいケーブルカーに乗って上るのがおすすめです。
写真上:男性風呂の「雲海の湯」。日帰り入浴は10~16時最終受付。 写真左下:足湯からも周囲の山並みを見渡すことができる。 写真右下:囲炉裏を囲んで寛げる休憩所「半兵衛の家」
男女別に設けられた天空露天風呂は、野趣あふれる岩造り。湯に浸かれば、目の前には美しい祖谷の山並み、眼下にはのどかな里山風景が広がります。
入浴後は囲炉裏を設けた古民家風の休憩所や、その横の「天空足湯」でひと休みするのもおすすめです。
写真上:和の風情溢れる安らぎの客室でステイを満喫。 写真下:夕食はアユやアメゴなどの川魚をはじめ、山里の味覚を囲炉裏端で召し上がれ
宿の自慢は天空露天風呂だけではありません。宿泊時の夕食にいただく里山料理は、パチパチと炭火が弾ける囲炉裏端で提供。でこまわしと呼ばれる祖谷風の味噌田楽やアメゴなどの川魚を、目の前の囲炉裏で炙って味わうジャパニーズスタイルが、外国人旅行客からも好評だそうです。
客室は、基本の和室から展望風呂付きの特別和洋室まで、全6タイプが揃っています。
写真左上:「峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか」 写真右上:「祖谷渓温泉 ホテル秘境の湯」 写真左下:「大歩危温泉 サンリバー大歩危」 写真右下:「いやしの温泉郷」の露天風呂
ほかにも祖谷には岩盤浴を備える宿や全室露天風呂付きの宿など、個性的な温泉宿が点在しています。ぜひお気に入りの宿を探してみてはいかがでしょうか。
※掲載の料金や内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますのでご了承ください。