秘境・祖谷の絶景 かずら橋と祖谷渓めぐり

「かずら橋と祖谷渓めぐり」のメイン画像

 1000m級の山々やエメラルドグリーンの祖谷川に囲まれ、“秘境”とよばれる祖谷(いや)エリアには、雄大な自然が織り成す絶景スポットが点在。なかでも有名な「祖谷のかずら橋」や小便小僧の像が立つ「祖谷渓」をご紹介します。

雄大な渓谷に架かる スリル満点の吊り橋

祖谷のかずら橋の画像

写真上:かずら橋は国指定の重要有形民俗文化財。3年ごとに架け替えが行われている。 写真左下:渓谷に架かるかずら橋は絶好の撮影スポット。 写真右下:たもとにある受付で渡橋料を支払ってから渡ろう。スニーカーなど歩きやすい靴がおすすめ

 

 「祖谷のかずら橋」は、祖谷川に架かる長さ約45m、幅約2mの吊り橋で、シラクチカズラという植物を編み込んで作られたもの。その起源は諸説ありますが、源平合戦に敗れて祖谷に移り住んだ平家の落人たちが、追っ手から逃れるためにいつでも切り落とせるよう植物で作ったのだといわれています。

 かずら橋は川辺から眺めるだけでなく、実際に歩いて渡ることができます。水面からの高さはなんと約14mもあり、足下に目をやれば、すき間から川面が見えてとってもスリリング! 思わず足がすくんでしまいますが、自然の雄大さを体感できる絶好のアクティビティとしても人気を集めています。

  祖谷のかずら橋ライトアップの画像

写真:ライトアップされる夜は、日中とはひと味違った美しさを見せる(ライトアップ時は通行禁止)

 

 毎晩19時~21時30分にはライトアップも実施されています。闇夜に浮かび上がるかずら橋はなんとも幻想的で、昼とはまた違った雰囲気が味わえると好評です。

  琵琶の滝やかずら橋夢舞台の画像

写真上:「琵琶の滝」はかずら橋を渡ってすぐの場所にある。 写真左下:かずら橋周辺には数件の茶店があり、軒先には香ばしい炭火焼の香りが漂う。 写真右下:「かずら橋夢舞台」では特産品を多数販売。食事処も併設されている

 

 かずら橋を観光したあとは、祖谷川の周辺をお散歩してみましょう。橋のすぐ近くにある「琵琶の滝」は、美しい白糸を引くような落差50メートルの滝で、こちらも平家伝説が残る場所。平家の落人たちがこの滝の前に集まり、京の都を偲んで琵琶を奏でたことから、その名がつけられたといわれています。

 また、琵琶の滝から観光駐車場へと整備された道沿いには、地元名物が食べられる茶店もあります。アメゴや鮎など川魚の炭火焼や、祖谷こんにゃく・ほどいも・石豆腐を竹串に刺して焼いた田楽「でこまわし」は、食べ歩きにもぴったり。駐車場の近くには地元みやげが揃う物産館「かずら橋夢舞台」もあるので、こちらもぜひ立ち寄ってみてください。

高低差200mの断崖絶壁に立つ名物像

小便小僧の画像

写真:祖谷街道の途中で、渓谷を見下ろすように立つ小便小僧の像

 

 続いては、かずら橋から車で約15分の「小便小僧」の銅像へ。谷底まで約200mという切り立った断崖に立つ像は、祖谷エリアのシンボル的存在。これはその昔、地元の子どもたちが岩端で度胸試しをしたことにちなんで、昭和43年(1968年)に立てられました。

 現在は岩に上らないよう柵が設けられていますが、道路沿いから撮影することができるので、カメラの準備をお忘れなく! かわいらしい少年の像と、眼下に広がる祖谷渓の風景美が相まって、まさに絶好のシャッターポイントです。

  ひの字渓谷や紅葉の画像

写真上:深い山々に囲まれて、祖谷川が悠然と蛇行する「ひの字渓谷」。 写真左下:広大な渓谷が赤や黄色に染まる様子は圧巻。 写真右下:秋になると小便小僧の周辺も赤く色づく

 

 周辺には、まだまだ絶好の展望スポットがあります。小便小僧から車で南へ約5分の場所にあるのは「ひの字渓谷」。ここは曲がりくねった祖谷川の流れが、平仮名の「ひ」の字に似ていることから名付けられました。祖谷街道沿いからその全景を見ることができ、秋の紅葉シーズンも見事な景観が広がります。

 また、小便小僧から車で北へ約10分走ると駐車場やトイレが完備された「祖谷渓展望台」があり、ドライブ途中の休憩にもぴったりです。

 

 「祖谷のかずら橋」と「小便小僧」を繋ぐ祖谷街道(県道32号)は、道幅が狭く対向車とすれ違うのが難しい場所もあります。訪れる際は、慎重な運転を心がけましょう。

※掲載内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますのでご了承ください。

このルポで訪れたスポットはこちら

・祖谷のかずら橋

・琵琶の滝

・かずら橋夢舞台

・小便小僧

・祖谷渓(ひの字渓谷)