徳島の名水・湧き水を巡る旅
大自然の豊かな恵みである名水・湧き水。存在は知っていても、実際に利用したことのある方は少ないのではないでしょうか。実は徳島では、県内の至るところに湧き水があり、今でも飲料水として利用されるほど、地域の方々から愛されています。今回はそんな長く愛される湧き水の魅力に迫ります。
特集1 お遍路さんの喉を潤してきた 歩いて訪れたい名水
What is Ohenro?
お遍路とは、約1200年前に弘法大師(空海)が修行した八十八ヶ所霊場を巡礼することで、お遍路する人のことを「お遍路さん」と呼びます。当初の遍路は、修行僧などが中心でしたが、お大師さまに対する人々の信仰の高まりと共に、日本全国から多くの方が遍路されるようになったとか。今では日本の方はもちろん海外からも巡礼に来る人が増え、巡り方も、歩いて巡る「歩き遍路」の他に、自転車、車、タクシー、バスなど多種多様な巡り方が生まれています。
四国霊場第11番札所「藤井寺」と、12番札所「焼山寺」は歩き遍路の難所で、2つの山を越えるおよそ13キロの遍路道。その間にある2つの名水はお遍路さんの喉を潤してきたと言われ、今も多くの方々がこの水を求めて訪れます。
龍王水
蛇口が龍の頭になっているのが特徴で、水が勢いよく出ています。
問い合わせ先:吉野川市商工観光課TEL:0883-22-2226
住所:徳島県吉野川市鴨島町森藤1265
柳の水
空海が柳の杖で岩をついて出た水と伝えられています。周囲と溶け込むため、見逃さないように注意が必要です。
問い合わせ先:神山町観光協会TEL:088-676-1118
住所:徳島県名西郡神山町阿野字松尾
特集2 藩主ご愛用の湧き水!?
錦竜水
錦竜水は藩主ご愛用の名水で、阿波藩主をはじめ地域住民の飲料水として古くから重宝されていました。蜂須賀公が徳島城を築いた際に、その祝いとして献上された銘菓「滝の焼餅」にも、錦竜水が使われています。
取材時にも水汲みに来られている方がおり、現在も多くの人に愛されています。
問い合わせ先:徳島市にぎわい交流課 TEL088-621-5232
住所:徳島県徳島市寺町6
※錦竜水を飲料水として利用される場合は、煮沸してからお召し上がりください
桐の水
徳島市のシンボル・眉山山麓の西部公園に湧き出る名水。蜂須賀公がお茶をたてる際にも使ったと言われています。
西部公園からは素晴らしい眺望が開け、徳島市街や四国三郎・吉野川の雄大な流れ、さらに吉野川北岸の田園地帯まで見渡すことができます。また、西部公園は、日本さくら名所100選に選ばれており、約500本のソメイヨシノが咲き誇ります。桜だよりが開かれるころには、県内有数のお花見の名所として大勢の人々で賑わいます。
問い合わせ先:徳島市公園緑地課 Tel 088-621-5295
住所:徳島県徳島市加茂名町庄山
※桐の水は飲料には適していません。