【ライターがオススメする徳島県】vol.05 うるう年の2024年は逆打ちお遍路の年。今年のお遍路は逆にまわってご利益アップ!

四国にある八十八ヶ所の霊場を巡拝する『お遍路』。弘法大師(空海)が開創し、自らも修行をしたとされる由緒正しき『お遍路』は、現在でも煩悩を浄化し、願いを叶えるための修行法として多くの人が実践しています。
八十八ヶ所を巡拝することを『打つ』と言って、通常は徳島県鳴門市にある一番札所・霊山寺から番号順に四国を時計回りに打ってまわります。ですが、4年に一度、うるう年のお遍路だけは例外で、通常とは違う巡拝順で打ってまわると良いとされているのです。

うるう年のお遍路作法“逆打ち”とは!?

うるう年にまわるお遍路では、番号の若い順からまわる通常のお遍路とは逆で、八十八番札所から遡るように、つまり四国を反時計回りに打ってまわるのが良いとされています。うるう年だけのお遍路作法で、これを“逆打ち”と呼びます。
その由来は、かつて弘法大師と“ある男”をめぐって起きた“偶然”だと言われています。ある男とは、伊予の国の豪農であった衛門三郎という大百姓。ある日、自宅前に托鉢にやってきたお坊さんを衛門三郎は乱暴に追い返してしまいます。するとその後、衛門三郎の身のまわりには度々不幸が起こるようになったのです。後に、あの日乱暴に追い返してしまったお坊さんが弘法大師であるということに気づいた衛門三郎。それからというもの、衛門三郎は強欲で傲慢だった自らを悔い、弘法大師に直接会って許しを請うため、四国八十八ヶ所霊場を巡拝する旅に出ます。
しかし、四国を何周まわろうと、いつまで経っても弘法大師に出会うことができません。その数なんと20周。あまりに出会えないため、21周目に衛門三郎は四国八十八ヶ所霊場を逆にまわってみることにしました。すると、その21周目になんと弘法大師に出会えたのだそうです。
その年はうるう年だったそうで、それ以降、うるう年には“逆打ち”をすると良いとされています。なんでも、うるう年の逆打ちは通常のお遍路の3倍のご利益があるのだとか。

うるう年には第十二番札所の前後を逆に巡拝しよう!

逆打ちというのは、うるう年の1年間に八十八番札所から始めて一番札所までまわるのがベストなわけですが、なかなか一気に全部をまわりきれる人も少ないでしょう。そんな場合は、一部の区間を逆まわりに巡拝するだけでもOKです。特に、徳島県名西郡にある第十二番札所・焼山寺(しょうさんじ)の前後をまわることをおすすめします。なぜなら、衛門三郎が弘法大師と再会できたのが焼山寺の近くにある番外札所・杖杉庵(じょうしんあん)だったからです。
うるう年である2024年にお遍路をするなら、第十二番札所の前後を逆にまわって、3倍のご利益をゲットしてくださいね。

ライタープロフィール

QUAREAL 千葉大輔

徳島県三好市出身のフォトグラファー・ライター。徳島のタウン情報誌出版社に6年間勤務後、フリーランスのクリエイターとして独立。独立後はいくつもの観光系webメディアの立ち上げに関わり、記事も数多く執筆している。
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